緊急事態宣言発令から約3週間が経過し、1日に1回は必ず「テレワーク」という言葉を聞くことがあると思います。
そんな状況の中で、弊社ではテレワークの導入を決断した翌日から、ほぼすべての社員がテレワークが初められる状況となりました。
弊社は、ITシステムの開発事業をメインに営んでおりますが、テレワークへの移行に関するIT環境の準備では、費用などはほとんどかけずに何ら不自由なく対応できています。
今回は、弊社でどのように取り組んで運用しているかを、簡単にではありますがまとめてみました。
テレワーク環境のネットワーク図
テレワーク環境の構築では、用途に応じて必要なものだけを準備していくことを心掛けました。
メールサーバーやスケジュール調整などで利用するグループウェアはクラウド上にあるため、今回のテレワーク環境の導入では特に準備する必要はありませんでした。
業務上で一番重要なのが「ファイルサーバー」への接続です。ファイルサーバーは自社で構築したものですので、社外からアクセスできるような便利な機能は実装しておりません。
そのため、社外から接続する場合には、一度「VPN」で社内のネットワークに接続し、社内のLANからファイルサーバーに接続するようにしています。
また、社員同士やプロジェクトごとのコミュニケーションでは「Slack」と「Google ハングアウト」を利用しています。
「VPN」、「Slack」、「Google ハングアウト」について、個別に環境面で準備した内容や、それらの運用方法をまとめてみました。
VPNの構築と機器について
VPNの構築では、大きく分けると2つの構築方法があります。
1つ目は、本社の他に支社や工場など拠点が複数存在していて、拠点間を接続する方法
2つ目は、PCやスマートフォンなど各端末から拠点(今回のパターンでは本社)に対して接続する方法
があります。
テレワーク環境の構築では、社員の自宅からPCで社内ネットワークへの接続となりますので、2番目の接続方法の構築となります。
また、1つ目の方では、一般的に各拠点ごとに専用の機器を設置して、設定を行うなどの対応が必要となり、より専門的で非常に高価なものとなります。一部のニュースなどでも報道されていますが、「VPN」逼迫、などと言われているエンジニアやシステム構築を担う企業、その際に用意するデバイスはこちらのことを指しています。
弊社では、本社に家電量販店でも販売している市販のルーター(2万円前後)を設置して利用しています。NTTフレッツ回線を導入した際に一緒に設置されるルーターでもVPNは実装できますが、セキュリティ対策的な観点から「Open VPN」が利用できるルーターを別途購入して利用しています。
現在利用しているルーターでは10名分までVPN用のユーザーを作成することができます。こちらの10人までの制限については、今後の課題という事で5月にVPN用のサーバーを構築して対応できるユーザー数を増加させる計画をしています。
Slackの運用について
Slackを本格的に導入してから社員同士の連絡方法としてメールを使うことはほとんど無くなりました。やはり、メールは作成するのが非常に面倒で相手が読んだかどうかが非常にわかりずらい仕組みでもあります。
もちろん、SlackにもLINEのように既読や未読のステータスがありませんので、読んだ、読まないといった事は送信者側にわからないものです。
この問題の解決方法として「リアクション」機能の有効活用をしています。
ルールでしかないので、社員同士の協力は必要ですが、クリックひとつで「承」や「済」といった返信ができるため、読んだらかならず何かしらの「リアクション」を行うという取り決めは非常に有効な手段となりました。
Google ハングアウトの運用について
Google ハングアウトは、Googleが提供しているWEB会議システムです。弊社では、お客様とのWEB会議では「Zoom」を主に利用していますが、各プロジェクトごとのメンバー間や社員間では「Google ハングアウト」を利用しています。
同一プロジェクトの社員同士では、画面共有機能を利用して、常に画面を見せ合う運用にしています。
もちろん、他人に見せられない業務も存在しますが、各自が把握しているプロジェクト内では、常に画面を共有していても何ら問題となる事はありません。
また、情報共有の他に作業の進捗チェックもリアルタイムで行うことが可能で、画面の動きが止まっていたりしていると、作業的に何か詰まってしまっている状況ともとれますので、先輩社員が後輩社員に対して声がけしたりしてフォローを行っています。